俳句・写真の投稿|俳句の聖地「愛媛・松山」吟行ナビえひめ

「サイクリング・自転車」俳句コンテスト結果発表

◎天

  • 立ちこぎを立ちこぎで追う秋麗
    片野瑞木
    選考者からのコメント

    子どもたちでしょうか。スピードを上げた友を追い自分もさらにスピードを上げる。「立ちこぎ」という言葉の繰り返しで速さも見えてきます。「追う」では複数の人の姿も見えます。景を冷静に描くことに徹していることが、かえって子どもたちの楽しさ・明るい表情を際立たせるのです。「秋麗」という季語も楽しさ・心地よさを倍加させるのです。気持ちの良い青空の下、繰り広げられる光景、また自転車で向かうであろう心躍る場所への期待感も広がります。

○地

  • 銀輪のギランと弾く蝉の声
    一斤染乃
    選考者からのコメント

    夏の日を浴びて飛ばすように漕ぐ自転車に一斉に降り注ぐ蟬の声。中七の「ギランと弾く」が銀輪の輝きと蟬の声の旺盛さを繋いで臨場感にあふれてます。「弾く」で蟬の声を蹴散らすような自転車の勢い・スピードも表現されています。きっと真新しい自転車でしょう。やっと買ってもらった嬉しさを素直に表現しました。蟬も一緒になって声を合わせているような1句です。

●人

  • 鉋屑つけて夜学へ踏むペダル
    このはる紗耶
    選考者からのコメント

    急いで仕事を片付けて夜間高校に走り出す若者。まだ見習いの大工さんでしょうか。引っかけた上着には仕事場の鉋屑を付けたまま。おそらくは初めて引かせてもらった鉋か、あるいはまだ鉋を持たせてもらえないので、先輩の引いた鉋屑を付けたままなのか。やがて一人前の大工さんになることを夢見て今夜も夜学に通う。居眠りをしたり叱られたりしながら、それでも先生の話に必死に耳を傾ける姿を思わせる句です。

選者紹介

夏井いつき

夏井いつき

昭和32年生まれ。松山市在住。8年間の中学校国語教諭の後、俳人へ転身。「第8回俳壇賞」受賞など。俳句集団「いつき組」組長として創作活動&指導に加え、俳句の授業〈句会ライブ〉、全国高等学校俳句選手権「俳句甲子園」の創設、「俳都松山宣言」起草にも携わるなど幅広く活動中。平成27年5月「俳都松山大使」に就任。TBS「プレバト!!」俳句コーナー出演中。愛媛県公式サイト「吟行ナビえひめ」、松山市公式俳句サイト「俳句ポスト365」選者。
著書に句集「伊月集 龍」「伊月集 梟」、「100年俳句計画」「子規365日」、「超辛口先生の赤ペン俳句教室」「夏井いつきの美しき、季節と日本語」など多数。

▲ このページの先頭へ戻る