南予の祭りと芸能
毎年10月29日に宇和島市野川の宇和津彦神社で行われる秋祭りでは、牛鬼や八つ鹿踊りなどが市内を練り歩きます。宇和津彦神社は宇和島藩主の崇敬が篤く、南予一宮とも言われ、宇和島藩総鎮守ともいえる神社です。祭礼は慶安2(1649)年に始まり、本町や裡町など町人町から思い思いの練り物が出されたという記録が残ります。仙台から移住した者も多く、八つ鹿踊りはその機縁から宇和島に伝播したものです。鹿の面を頭につけ、その面から垂れた布で上半身を覆い、太鼓を前に抱えて打ちながら歌い踊ります。この鹿踊りは、宮城県周辺に分布しており、「めじしかくし」など歌詞、リズムが共通しています。江戸時代から昭和初期までは人形を乗せた豪華な屋台(練車)が各町から出ていましたが、戦災等により廃れ、現在は牛鬼、八つ鹿踊り、猿田彦、獅子舞、巫女の舞などが祭りを盛り上げています。
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