愛媛の26霊場
パワースポットブームも手伝い、近年、若者や外国人からも注目を集めるお遍路。愛媛には、始まりの地から最も遠い40番札所「観自在寺」~65番札所「三角寺」の計26ヶ寺が集まり、その数は四国遍路で最多を誇ります。お遍路の基本から愛媛の札所のめぐり方まで、四国ならではのお遍路の魅力に迫ります。まずは、お遍路の基本を知っておこう
「お遍路」とは、約1200年前に弘法大師(空海)が修行した88の霊場をたどる巡礼のことで、お遍路する人のことを「お遍路さん」と呼びます。巡礼の旅は徳島からはじまり、高知、愛媛、香川の順にめぐるもので、世界的にも珍しい「回遊型」の参拝ルートが特徴です。その道のりは約1400kmにも及び、すべての札所を巡拝することで願いが叶ったり、弘法大師の功徳を得られるといわれています。最近は参拝する目的も多様化していて、健康祈願や近親者の供養、健康増進、自分探しの旅など、人によって実にさまざま。地元の人の笑顔やあたたかいもてなし「お接待」も魅力のひとつで、四国遍路ならではの風習に心が癒されます。
column
日本遺産にも認定
回遊型巡礼路と独自の巡礼文化が評価
2015年、文化庁が認定した「日本遺産」に四国遍路が登録されました。登録の主な理由は、国籍や宗教に関わらず誰もがお遍路さんになれること、欧米の往復型の参拝ルートとは異なる四国を一周する回遊性の参拝ルートであること、お接待の文化が地域に根差していることが挙げられます。世界遺産に向けての期待も高まっています。
愛媛の札所について
「発心の道場」徳島、「修行の道場」高知を経て、たどり着く「菩提(ぼだい)の道場」愛媛。「菩提」とは煩悩を断ち切り悟りの境地に達することを意味し、ここ愛媛は始まりの地から最も遠く、四国八十八箇所めぐりの折り返し地点にあたる場所です。宇和海や豊後水道から西日本最高峰の霊峰・石鎚山を抜け、おだやかな瀬戸内海を目指すルート上には、四国遍路最多の26ヶ寺が点在。結願(けちがん)への道のりはまだまだ続きます。
道後温泉と一緒にめぐりたい石手寺参拝
第51番札所にあたる石手寺は、国宝や重要文化財に指定された文化財をはじめ、宝物館、マントラ洞窟、など見ごたえ満載の札所。『ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン』で星1つを獲得し、参拝者だけでなく観光客からも人気を集めています。道後温泉から近くという好立地も魅力のひとつで、愛媛でお遍路デビューするなら、この寺から訪ねてみるのもおすすめです。パワースポットとしても注目を集める石手寺の魅力にクローズアップ!