愛媛の札所について

菩提の道場を巡礼する

「発心の道場」徳島、「修行の道場」高知を経て、たどり着く「菩提（ぼだい）の道場」愛媛。「菩提」とは煩悩を断ち切り悟りの境地に達することを意味し、ここ愛媛は始まりの地から最も遠く、四国八十八箇所めぐりの折り返し地点にあたる場所です。宇和海や豊後水道から西日本最高峰の霊峰・石鎚山を抜け、おだやかな瀬戸内海を目指すルート上には、四国遍路最多の26ヶ寺が点在。結願（けちがん）への道のりはまだまだ続きます。

愛媛の26か寺案内

弘法大師もたどった札所を参拝
始まりの地から最も遠い40番札所「観自在寺」から65番札所「三角寺」まで。愛媛県各地に点在する26の札所をご紹介します。
第40番札所　観自在寺
南国に鎮座する四国霊場の裏関所。弘法大師が平城天皇の勅命を受け、807年に開基したとされる由緒ある古刹です。
第41番札所　龍光寺
神仏習合の面影が色濃く残る札所。地元の人から「三間のお稲荷さん」と呼ばれ、古くから親しまれてきた四国霊場の総鎮守の寺院です。
第42番札所　仏木寺
四国霊場で唯一の茅葺屋根の鐘楼堂。鎌倉時代には宇和島領主・西園寺家の祈祷・菩提寺であったといわれています。
第43番札所　明石寺
地元で親しまれ続ける、自然と融和した寺。弘法大師により再興、源頼朝により修繕され、室町時代には西園寺氏、江戸時代には宇和島藩・伊達家の祈願所となっていた由緒正しい古刹です。
第44番札所　大寶寺
境内には「霜夜塚(しもよづか)」と呼ばれる県下最古の芭蕉塚があり、多くの俳句ファンが訪れます。
第45番札所　岩屋寺
三宝鳥、慈悲声鳥、鉦鼓鳥、鼓鳥、慈悲心鳥、鈴鳥、笛鳥の七種の霊鳥が住むといわれ、山そのものが本尊である山中深くに建つ寺院です。
第46番札所　浄瑠璃寺
遍路の始まりの逸話に登場する、衛門三郎の故郷にある寺院。薬師如来の浄土である東方浄瑠璃世界からその名をとって、浄瑠璃寺と号したといわれています。
第47番札所　八坂寺
境内にある閻魔堂（えんまどう）の両脇には、美しい浄土を描いた「極楽の途」と修羅道などを描いた「地獄の途」があり、地獄から入って極楽から出ると、極楽浄土へ行けるといわれています。
第48番札所　西林寺
聖武天皇の勅願により行基が建立した寺院で、弘法大師が巡礼の際に滞在し今の地に移したと伝えられています。
第49番札所　浄土寺
平安時代には、空也上人が3年間滞在して民衆の教化に励んだといわわれ、境内には空也が植えたとされる「空也松」の切り株や、正岡子規が空也上人を詠んだ句碑などが見られます。
第50番札所　繁多寺
孝謙天皇の勅願寺として行基により奈良時代に建立されて以来、千年以上の歴史を誇る寺院です。
第51番札所　石手寺
あらゆる不思議を秘めたスポットとして、お遍路さんのみならず多くの観光客で賑わう札所です。
第52番札所　太山寺
豊後（大分県）の真野長者（まのちょうじゃ）が、難破をまぬがれたお礼にと一夜で堂宇を建立したとされる寺院で、伝説から「一夜建立の御堂」として語り継がれています。
第53番札所　円明寺
聖武天皇の勅願により行基によって開基され、一時は七堂伽藍を備えた大寺として大いに栄えました。
第54番札所　延命寺
山裾に建立された寺院は自然に囲まれており、季節の移ろいを感じることができます。
第55番札所　南光坊
大三島に鎮座する日本総鎮守･大山祇神社の別当寺として建立された寺院で、大山祇神社の本地仏である大通智勝如来が本尊として祀られています。
第56番札所　泰山寺
のどかな田園地帯の高台に建つ札所。川の氾濫を鎮めた弘法大師伝説が残っています。
第57番札所　栄福寺
山の中腹にあり豊かな自然に囲まれた静かな札所。弘法大師が海路の安全を祈願して建立したと伝わります。
第58番札所　仙遊寺
約300mの作礼山（されいざん）の山上にあり、地元では「おされさん」の愛称で親しまれています。精進料理が味わえる宿坊も営んでいます。
第59番札所　国分寺
唐子山の麓にある寺院で、近くには唐子浜の砂浜が広がっています。
第60番札所　横峰寺
シャクナゲが美しく、境内が薄桃色に包まれることから、別名・シャクナゲ寺とも呼ばれています。
第61番札所　香園寺
用明天皇の病気平癒を祈願して聖徳太子が建立したとされる寺院。地元では「子安大師さん」の名で親しまれています。
第62番札所　宝寿寺
聖武天皇の勅命を受けた道慈によって創建されて以来、往時は伊予三島水軍の菩提寺や大山祇神社の別当寺として栄えました。
第63番札所　吉祥寺
西条市の国道沿いの住宅地の中にあり、四国で唯一、毘沙聞天を本尊とする寺院です。
第64番札所　前神寺
修験道の開祖･役小角（えんのおづぬ）が開創とされ、古来より修行の霊地である石鎚山の麓に位置する寺院です。
第65番札所　三角寺
本堂前には、樹齢300～400年といわれる山桜があります。この寺院を訪れた小林一茶が「これでこそ 登りがいあり 山桜」という句を残したほど美しく咲き誇る山桜は、一見の価値ありです。

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