南予の祭りと芸能
南予地方には、牛と牛とを闘わせる闘牛文化が広く定着し、地元では闘牛のことを「突きあい」と称し、平成7年に文化庁より「南予地方の牛の突きあい習俗」が国無形民俗文化財に選択されています。南予地方の「突きあい」は安政3(1856)年に野村組(現西予市)の庄屋文書に見えるのが初見であり、明治時代に入ると愛媛県の行政文書に数多く闘牛関係史料が現れます。最も盛んだったのが大正末期から昭和初期で、現在の宇和島市から愛南町の山合いの多くに小さな闘牛場があり、農閑期や祭りに盛大に開催されていました。現在、宇和島市営闘牛場で年4回の定期大会が行われており、ドーム形の闘牛場で直径20メートルの土俵上で1トン近い巨大な牛が激突するのを見ることができます。荒々しい巨牛の息づかい、かん高い勢子(せこ)の声、角と角がぶつかり合うにぶい音が場内にこだまし、白熱した戦いが繰り広げられます。
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