風格ある明治期の洋館「日暮別邸記念館」

近代化の歴史を今に伝える新しいランドマーク

新居浜市の沖合20kmに位置する瀬戸内海に浮かぶ四阪島に明治39年、住友家の別邸として建てられた洋館です。明治建築の風格を伝える建物として高く評価され、新居浜市内の高台に移築。現在は「日暮別邸記念館」として公開されています。
趣や風情はそのままに移築された日暮別邸
館内1階は、当時の傷が残った床板や杉皮材を使った腰壁など、別邸の雰囲気がそのまま残されています。2階は精巧なジオラマなどで煙害克服の歴史などを紹介する展示室になっています。設計は明治期を代表する建築家 野口孫市によるものです。
簡素ながら気品あるデザイン
解体した部材はなんと約1万点。可能な限り元の姿を忠実に再現するため、床材や室内建具材、暖炉の石など、内部部材の約95%がそのまま再利用されています。
それぞれデザインが異なった立派な暖炉
応接室の暖炉も実際に使われていた石を一つひとつ解体して、再び組み上げられました。当時、この暖炉のそばで当主は来客たちと何を語らいあったのか、そんなことも気になります。
明治建築の風格をよみがえらせたハイカラな食堂
食堂の天井は日本の伝統技法である「格天井」で、竿の継ぎ手は「車知継ぎ」で造られています。天井の高さは3.7mあり、広々とした空間を感じることができます。