一気に標高を上げながら途中の変化を  楽しむ花と歴史の山「西赤石山」

山頂から彼方に望む伊予三名山と直下に広がる新居浜の街並み

地元はもとより、全国から登山者が訪れる四国の中でも人気の高い山のひとつ。高山植物の宝庫でツガザクラとアカモノの大群生地があることでも知られ、山中にたたずむ産業遺産群はこの山が別子銅山の歴史と深く繋がっていたことを感じさせてくれます。

かつての繁栄を忍ばせる別子銅山の産業遺産
赤石山系の山々には、別子銅山のかつての繁栄の歴史が残されています。東平や日浦の登山口から西赤石山頂を目指すコースの途中には、今も当時の姿を忍ばせる赤レンガ造りの橋脚や発電所、迎賓館、坑道、坑夫の住宅や鉱山鉄道の廃線など、数々の産業遺産が各所に点在しています。

四国屈指のスケールを誇るアケボノツツジの大群落
西赤石山の北斜面はアケボノツツジで覆われていて、花の季節になれば斜面全体が淡いピンク色に染まります。コースの随所に見どころスポットがありますが、銅山越から西赤石山頂を目指す尾根道の途中、山頂から見下ろすカブト岩付近、カブト岩から見上げる北斜面は特に見応えがあります。

不思議な模様のついた岩塊が積み重なった展望地
山頂から少し下った北斜面に突き出したカンラン岩の岩峰が「カブト岩」。眼下には新居浜市とその沖の瀬戸内海、東には西条市から今治市としまなみの島々、西は四国中央市を一望できる絶景が広がります。岩についたバラの花のような、渦巻きのような模様はカンラン岩に着生する苔の一種で、独特な景観をつくり出しています。
ヒュッテ前のベンチから眺める景色が素晴らしい
赤石山系の登山拠点のひとつで、小屋には電話もなく、電気も通っていないのでヘッドランプ等の灯りは必携です。素泊まりが基本ですが、お願いすればご飯は炊いてくれます。近くには水場もあるため、登山途中の休憩ポイントとしても利用されています。