行きと帰りで別のコースを歩けるのも魅力
石鎚山の向かいにある岩黒山から高知県側に続く筒上山を歩くコースは、縦走デビューにもぴったり。岩黒山、筒上山ともに真っ直ぐ山頂に向かうルートと迂回するコースがあるので、往路と復路で違うコースを歩けるのも魅力のひとつ。比較的人も少なく、山歩きの楽しさをゆっくり味わうことができます。手が届きそうな大迫力で迫る西日本最高峰・石鎚山
土小屋を挟んで向かい合うような位置関係にある石鎚山と岩黒山・筒上山。どちらの山頂からも、石鎚スカイラインや瓶ヶ森林道から見るのとは違った角度から“新鮮”な石鎚山を目の前に楽しめます。南先鋒から天狗岳、その後ろに隠れる弥山からなる石鎚山の山頂まで、大昔の地殻変動によってねじり上げられたような形をしていて、大地のすさまじいエネルギーを感じられます。さらにその先へと続く、西ノ冠岳〜ニノ森〜鞍瀬ノ頭へと延びていく稜線も見応えがあります。
岩黒山のアケボノツツジと筒上山のシロヤシオ
淡いピンク色のハート形をした花びらが愛らしいアケボノツツジは“深山に春を告げる花”として有名で、花の季節になると多くの愛好家がカメラ片手に山へと向かいます。岩黒山は登山道からアケボノツツジまでの距離が近く、瓶ヶ森と石鎚山という二大名山を背景に、まるで絵画のような写真を撮ることができます。また、筒上山にはアケボノツツジと同じツツジ科のシロヤシオの群生地があり、白い花のトンネルのように花を咲かせます。
修験の山・筒上山頂に広がる社群
愛媛県と高知県にまたがる筒上山一帯は信仰・修験の山で、笹原に覆われた筒上山の山頂は、大山祇神社や木花之開耶姫、天照皇大神宮、蔵王権現などの小さな祠がいくつも祀られた神域でもあります。また、高知県側から登ってくる参拝者が石鎚山を遠くから拝んだ場所でもあり、ここから仰ぎ見る石鎚山はどこか神々しさを覚えるほどです。
慎重に鎖を頼りながら登る岩場
急な石段を登った先にある古びた木の鳥居の先に、山頂付近まで一気に登る鎖場があります。迂回路がないので、ここから山頂に行くには必ず鎖を登る必要があります。かなりの急勾配ですが足がかり・手がかりとなる場所もあり、鎖のほかにロープも複数あるため、しっかり体重をかけるところを見極め、ゆっくり登っていけば大丈夫です。