四国中央市 切山地区巡り


2024.03.01
平家の落人伝説が残る四国中央市金生町の切山地区。展示資料を見ると、「1184(元暦元年)年に源氏に都を追われた平家の一行が、幼い安徳天皇を守って山奥の同地区にたどり着き、半年間かくまったのが始まり」とありました。今回は、平家にまつわる遺跡が数多く残る切山地区をご紹介いたします!

 

生き木の地蔵

切山の山中にあるこのお地蔵様は、生きたカゴノキに彫り込まれていていることから「生き木地蔵」と言われています。昔々、ここを訪れた弘法大使が自作にて像を立てましたが、洪水で流されてしまい、生き木に彫り込んだのが始まりなんだとか。元々の「生き木地蔵」は1730年に仏師・鈴木庄兵衛氏により掘られたそうで、拝めば耳の病気が治ったり、願いを叶えてくださるということで、多くの方々に祈願されてきました。その後、カゴノキは枯れて朽ち果ててしまいましたが、地元の保存会の方々が、香川県の仏師・萩田文昭氏に依頼をして新しく復元したのが現在のお地蔵様です。「生きてらっしゃる」。神々しいそのお姿を拝見するたびにそう思います。

 
以前の「生き木地蔵」は、すぐ隣のお堂の中で拝むことができます。保存会の方が、真心込めて大切にされているのがよくわかります。入口の看板からはじまり道中もきれいに整備されていて歩きやすいのです。お堂の前にはたくさんの資料があり自由に持って帰ることができます。その中でも目を引いたのが、「生き木地蔵のお守り」。修復時のカゴノキの木片が入っているというではないですか!近くの「カフェKIRIAKE」にあるとのことでこれはぜひとも帰りに寄らねば!とお地蔵様を後にしました。

 

国の重要文化財「真鍋家住宅」

「真鍋家住宅」は、今から400年近く前の江戸時代中期の建築とされ、民家としては愛媛県内に現存する最古のものと言われており、全国的にみても非常に重要なものであるため、1970年(昭和45年)に国の重要文化財に指定されています。取材時に、偶然お会いできた真鍋家当主の弟、博さんにお話を伺いました。子供のころの暮らしぶりやご家族のこと、ご先祖様のこと、この切山地区のこと。それはついこの前の出来事のように楽しくわかりやすくお話しいただき、一瞬でタイムスリップできた貴重な時間でした。都度、疑問に思ったことを「なんで?どうして?」と質問しました。そのたびに博さんはわかりやすく簡潔に答えてくれるのです。よくよく聞くと長年小学校で教諭をされていたそう。愛あふれるお人柄が言葉の端々ににじみ出ていて、きっと子供に人気だったんだろうなと教員時代の博先生を想像しました。
家屋の中は自由に見学することができます。やはり、囲炉裏に火が入っていると懐かしさとともにホッとします。敵から身を隠す秘密の小さい部屋があったり、床下にイモツボと呼ばれる貯蔵庫があったり、見どころはたくさんあります。個人的には、厠(かわや)が一番気になるところです(笑)

 
ちょうど真鍋家の入り口あたりに、甲冑を身につけた武士のロボット「霧山侍」がいます。切山の伝説を歌にしたメロディーにのせて、歴史や風物を語りかけてくれるのです。説明とともに、前に置かれた地図の場所がリンクして光るようになっていてとてもわかりやすい!このロボットを制作したのは、新居浜工業高等専門学校の生徒さんたちだそうです。ぜひ、行かれた際はロボットのボタンをポチっとしてみてくださいね!博さん、楽しいお話とあたたかいおもてなしをありがとうございました!

 

真鍋家梅園

真鍋家に隣接してある梅園です。これは昨年の画像です。訪問時(画像3枚目)はまだ咲き始めたところでした。2月下旬にかけて満開になっていくとのことで、たぶん3月のはじめ頃までは見れるかな~とおっしゃられていました。こちらも大切にお世話をされていて、毎年楽しませていただくことに感謝しかありません。

 
こちらも昨年の画像ですが、メジロやエナガもたくさんいました!「徳島から来たんよ~鳥さんこんな近くで見れて嬉しいな~。どんな写真撮れたん?」愛らしい姿に思わず梅見客の方々と話が弾みました。切山地区の自然に触れると誰もがナチュラルに戻るんでしょう。みなさん笑顔でコミュニケーションをされていました。ほっこり。

 

カフェ「KIRIAKE」

こちらも真鍋家の隣にあるカフェです。博さんに真鍋家のお庭を案内していただいてる際、颯爽と斜面の草を刈っている方がおられました。あの方がカフェのオーナーでもあり自治会長の参鍋修一さんですよ!とご紹介いただきました。美味しいコーヒーを飲みながら、お二人の楽しいお話や、TV出演時のDVDを見せていただいて大笑い。「メニューにはないけど修一さんのうどんがおいしんだよ~」と博さん。それはぜひともお願いします!と急遽作っていただきました。出てきたのは、養鶏場も営む修一さんの有精卵がのっかった釜玉うどんでした。はい。美味しいのは当たり前。甘みのある卵に細麺が絡んでペロリと完食。アクセントの紅ショウガがいいじゃないですか!「急でなかったらもう少しアレンジして出したのにな~」とつぶやかれてましたが、充分なクオリティでございました。次回はたまごサンドいただきたいな。帰り際に3色あるお守りの中から赤色をチョイスしてお会計。修一さんありがとうございました!

 
とても仲良しのお2方でした。お2人だけではなく地区の皆さん助け合って地域を盛り上げているそうです。毎月第2日曜日に開催の「切山にこにこ市」では、新鮮な野菜に串焼き、ドーナツ、コーヒーなどの人気商品が多数あるとのこと。「毎月みんなで準備して待ちよるよ。おいでてくださいや~」と笑顔の博さんに「絶対行きます~!」と約束をして帰路についたのでした。
左から真鍋博さんと参鍋修一さん


 

今年初めて愛媛マラソンに行ったしげまつかおりです。人込みが苦手なためわざわざ出向いたことはなく、人気のない沿道から応援する程度だったのです。
今回初めてゴール地点や沿道で知人を撮影。なんであんなに感動するんでしょう!頑張っている姿は無条件で感極まりますね。
私も走りたい!と一瞬だけ思いました(笑)




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