新居浜市近代化の父を訪ねて


2023.11.21

はじめに

旧広瀬邸は、愛媛県新居浜市中心街から少し離れた広々とした広瀬公園の中にあります。別子銅山の近代化により日本の近代産業を育成し、住友グループの基礎を確立した広瀬宰平(ひろせさいへい)の邸宅と庭園です。展示館であり博物館でもある広瀬歴史記念館と隣接しています。記念館では、広瀬宰平の足跡を通して工業都市である新居浜の生い立ちと、日本の近代産業の歩みをたどる事ができます。今回は、旧広瀬邸についてご紹介いたします。
 

表門

入り口の立派な表門です。奥には母屋が見えています。
門をくぐり、少し進んで右手を見ると事務室があるので、受付窓口にて観覧券を購入できます。観覧券は、旧広瀬邸と広瀬歴史記念館と共通チケットになっており広瀬歴史記念館でも購入できます。

国の重要文化財「旧広瀬家住宅」

旧広瀬邸は、明治中期の近代和風建築です。母屋・新座敷・離れ・金物蔵/米蔵・門番所・乾蔵・表門の7棟が「別子銅山を支えた実業家の先駆的な近代和風住宅」として、国の重要文化財「旧広瀬家住宅」に指定されています。旧広瀬邸は、和風建築である中で、障子にはガラス、暖炉、避雷針、洋式トイレなど西洋の文化をふんだんに取り入れています。

母屋

入り口は母屋から、中に入ると格式高い上品な空間が広がっていました。玄関からは奥の台所と調理場まで見通せます。調理場もとても広く、当時の器具も展示されています。以前は大勢の方が働かれていたのでしょうか。

望煙楼

母屋の2階に上がると広瀬宰平が名付けた「望煙楼」と呼ばれる部屋があります。窓越しから見る眺めは新居浜市内が一望でき、春には広瀬公園の桜を見ることができる特等スポットです。満開の桜をここから見てみたいものです。

新座敷

母屋から渡り廊下を進むと新座敷につながっています。新座敷からは趣のある景観が広がっています。また新座敷には、茶室・湯殿・湯隠が設けられており、当時の様子がうかがえます。

名勝「旧広瀬氏庭園」

室内の観覧を終えて庭に出ると、そこには美しい庭園が広がっています。植木は丁寧に手入れがされており、遊歩道もとても綺麗に整備されています。緑の木々に囲まれた心が安らぐ静寂の場所でした。旧広瀬邸の庭園は、「迎賓・祝祭・顕彰の場を兼ね備えた近代日本における地方の庭園文化発展を示す重要な事例」として国の名勝「旧広瀬氏庭園」に指定されています。

おすすめスポット

庭園内の少し高い場所から見る広瀬邸と庭園は、瀬音と風に揺れる木々の音に耳を傾けることができ、時間を忘れしばらく眺めていました。また訪れる季節に応じて、新緑・深緑・紅葉・そして散りゆく紅葉に心が動かされること間違いないおすすめスポットです。

まとめ

旧広瀬邸はまるで時が止まったかのような静かな空間でした。明治を象徴する和洋折衷の建築と美しい庭園。日本の伝統の素晴らしさをしみじみ感じることができ、春は桜、秋は紅葉と四季に応じた違う表情を楽しめるスポットです。訪れた際には、広瀬歴史記念館と合わせて観光してみてください。

広瀬歴史記念館・旧広瀬邸
〒792ー0046
愛媛県新居浜市上原2丁目10番地42号
TEL0897ー40ー6333
(広瀬歴史記念館)

アクセス
JR新居浜駅から車で約20分
新居浜ICから車で約15分
駐車場あり
自己紹介

自己紹介

はじめまして!ひめ旅部の夏井です。

数年前からカメラに興味を持ち、休日には愛媛県を中心に、四季折々の風景写真を撮影し始めました。四国の新しいフォトスポットも探求し活動しています。
lnstagram「@alchemist0709」で撮影した写真もアップしています。
愛媛県の魅力を伝えるために頑張りますのでよろしくお願いします。

広瀬歴史記念館・旧広瀬邸